
今、人工授精に挑戦してるんだけどうまくいかなくて…
このまま続けるべきか、
ステップアップするべきか迷ってて…

治療や通院、頑張ってらっしゃったんですね。
いろんな負担もあって、簡単には決められないですよね。

周りと比べて焦る気持ちもあって…

そのお気持ち、とても自然なことだと思います。
だからこそ、“自分たちはどう考えるのか”を大切にしたいところですね。
一緒に整理していきましょ。
不妊治療を続けていると、一度は必ず直面する「ステップアップするべきか」という悩み。
年齢、妊娠率、費用、心と身体の負担――
何を基準に決めればよいのか迷ってしまいますよね。
この記事では、不妊治療の基本とともに、後悔の少ない選択をするための考え方を整理します。
「不妊症」とは
不妊症とは、避妊をせずに夫婦生活を継続しているにもかかわらず、一定期間妊娠しない状態のことを指します。
受診の目安は?
一般的には、1年間妊娠しない場合に受診が推奨されています。
しかし、35歳以上の方や婦人科疾患の既往歴がある方は妊娠率が低下しやすいため、6か月程度で専門医へ相談することが望ましいとされています。
初診は月経1〜3日目の受診が理想的で、問診や基本的な検査から開始されます。
婦人科といえば「内診」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、生理中のホルモン値を確認するための血液検査なども重要な検査のひとつです。
ちなみに筆者は、友人の勧めもあり、30代前半で結婚後すぐに婦人科を受診し、ブライダルチェックを受けました。
数ヶ月も無駄にしたくないという方には、早め早めの受診がおすすめです。
不妊治療の各ステップ
不妊治療は、原因に応じて「一般不妊治療」から「高度生殖医療」へと段階的に進めていくのが一般的です。
状況に合わせて治療を選択することで、妊娠率の向上を図ります。
ステップ1:タイミング法
ホルモン検査や超音波検査で排卵日を特定し、適切なタイミングで自然妊娠を目指します。
必要に応じて排卵誘発剤を併用することもあります。
ステップ2:人工授精(AIH)
精子を洗浄・濃縮し、子宮内へ直接注入する方法です。
タイミング法で妊娠に至らなかった場合に行われることが多く、一般的に3〜6回程度試みます。
ステップ3:体外受精(IVF)
卵巣を刺激して卵子を採取し、体外で精子と受精させた胚を子宮へ戻す方法です。
体外受精における受精方法は主に次の2つがあり、身体の状態や経過に応じて調整されます。
媒精(ふりかけ法)
採取した卵子に精子を振りかけ、自然に受精するのを待つ方法。
顕微授精
細い針で精子を1つ選び、卵子へ直接注入する方法。
精子数や運動率が低い場合などに選択されます。
受精後の胚を子宮へ戻す方法にも、次の2通りがあります。
初期胚移植
採卵後2〜3日目の分割胚を子宮へ戻す方法。
凍結胚移植
一度胚を凍結保存し、子宮環境が整った周期に移植する方法。
ステップアップすることのメリット、デメリット
メリット
●身体的・精神的・経済的な負担が比較的少ない治療から開始し、段階的に妊娠率の向上を目指すことができる。
●不妊の原因特定につながる。
●ステップアップすることで、治療が進んでいると実感することができる。
デメリット
●各ステップに一定の期間を要するため、結果として妊娠までに時間がかかる可能性がある。特に年齢が高い場合は、効率悪く感じる可能性がある。
●高度医療へステップアップする度に治療費の自己負担が増大する。
●ステップアップしても妊娠率が上がらない場合、モチベーションの低下をもたらすことがある。
年齢と妊娠率の関係
女性の年齢が上がるほど妊娠率は低下し、特に35歳以降で顕著になります。
これは主に卵子の数と質の低下によるものです。
自然妊娠率(1周期あたり)
| 年齢 | 自然妊娠率 |
| 20代 | 25〜30% |
| 30〜34歳 | 25〜30% |
| 35歳〜39歳 | 約18% |
| 40〜44歳 | 約5% |
| 45歳以上 | 約1% |
※妊娠率は健康上問題のない男女が避妊をせずに性交渉をした場合。

35歳を超えると確率が下がるとは聞いていたけど、
これほどまでとは・・・
人工授精は何回まで実施するといい?
人工授精の1周期あたりの妊娠率は5〜10%程度で、タイミング法の約2倍です。
人工授精を4周期以上継続した場合のその後の妊娠率をみてみると、40歳未満の場合は約20%、40歳以上の場合は10〜15%と横ばいになります。
人工授精を4〜6回実施してみて効果を感じられなかった方は、体外受精へのステップアップを検討する時期かもしれません。
体外受精ってお金がかかるの?保険適用の条件とは?
以前は自費診療のため高額でしたが、2022年4月以降保険適用され自己負担が軽減されています。
3割負担で診察・検査・処方・採卵・移植を行った場合の医療費は、おおよそ10万〜30万円程度です。
あくまで目安であり、採卵回数や使用する薬剤の種類・投与期間などによって費用は変動します。
また、条件によっては高額療養費制度を利用することで、自己負担額を抑えることが可能です。
特に、採卵と移植を同じ月に実施した場合には、高額療養費制度の恩恵を実感しやすいでしょう。
しかし、多くの場合は同月にならず損をしたような気持ちにもなり得るので、治療を始める前に医療保険に加入しておくことをおすすめします。

これだけ少子化と言われ続けて保険適用じゃなかったなんて・・・
保険適用条件は、
●治療開始時の女性の年齢が43歳未満。
●40歳未満の方は、1子につき胚移植6回まで。
●40〜42歳の方は、通算胚移植3回まで。
ステップアップするか迷ったときは?
ステップアップを検討する際は、治療の効果、年齢、負担のバランスを総合的に評価するとよいかと思います。
1. 妊娠率の推移を確認
現在のステップで妊娠率が横ばいなら移行を検討してもよいかもしれません。
35歳以上であれば、早い段階で主治医と相談しておけるといいですね。
また、卵管閉塞や男性不妊など原因が明確な場合は早期移行が有効です。
2. 負担とのバランス評価
●身体: 副作用、通院頻度
●精神: ストレス、夫婦関係への影響、職場への影響
●経済: 保険適用残り回数、助成活用後負担
3. セカンドオピニオン活用
他の専門医に現状を説明し、客観的意見を聞いてみるのもひとつ。
迷ったら「半年後の妊娠確率低下リスク」と「次のステップの成功率」を比較してみるとイメージしやすいです。
夫婦で優先順位を書き出し、納得のタイミングで決断してくださいね。
ステップアップをするべきか迷ったときに考えることリスト
- 治療のモチベーションは低下していないか
- 現在の治療で「いつか妊娠しそう」と思えるか
- 次のステップの成功率を数字で理解・納得できているか
- 治療中止も視野に入れた家族の未来像を描けるか
- 通院頻度・注射・採卵の痛みは耐えられると思うか
- 腹部膨満や疲労感など、副作用の影響を受けた場合の生活をイメージできるか
- 保険適用残り回数と助成金を確認したか
- ステップアップ後の医療費は貯蓄や生活費に影響を与えない範囲か
- 夫婦で治療以外の楽しい時間を持てているか
- 夫婦間で話し合いができているか
- 周囲(職場・友人)との関係が悪化していないか
前述した通り、ステップアップにはメリットがあればデメリットもあります。
身体的な負担、精神的な負担、経済的な負担を考慮して、どんな選択肢を取ることが後悔を減らすことができるか、今一度立ち止まって考えてみることが大切です。
不妊治療中における夫婦間のコミュニケーション
不妊治療中は夫婦のストレスが増大しやすいため、互いの感情を尊重したコミュニケーションが鍵になります。
ここでは、不妊治療中の夫婦間のコミュニケーションにおいて、意識しておくとよいことを3つだけご紹介します。
共感を示す
相手の話を最後まで遮らずに聞き、「それはしんどいね」「がんばったね」と、まずは共感を示すことが大切です。
アドバイスや意見より相手の気持ちを受け止めることを優先してくださいね。
「Iメッセージ」を使う
Iメッセージとは、自分を主語に気持ちや意見を伝える方法です。
例えば、

私は今、不安を感じていて・・・
といったように、自分の感情を主語にして相手を責めない。
週1回の「夫婦ミーティング」を設け、治療の進捗や不安を共有する
「ありがとう」「お疲れさま」といった感謝や労いの言葉を日常的に伝える。
まとめ
不妊治療のステップアップは、「正解」がひとつに決まっているものではありません。
年齢や妊娠率といった医学的データに加え、身体・心・経済面のバランスを総合的に考えることが大切です。
ときには立ち止まり、半年後・1年後の自分を想像してみることも判断材料になります。
夫婦で十分に話し合い、納得できる選択を重ねていくことが何より重要です。
焦らず、しかし現実的な視点も持ちながら、自分たちらしい道を選んでいきましょう。
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